猫目石
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猫目石の夢日記1

個人ブログ的な使い方でSO2とは無関係なことを書いてみる。

第1夢~学園異能バトル物~

「………い。……おい、猫目石!聞いてるのか!寝ぼけてんじゃねぇぞ」
「…!はい!すみません!」
しかしそれを笑う声はない。
どこかへ飛ばしていた意識を目の前の横長な黒板へ移し、よくその図を目に焼き付ける。
「これから始める実戦訓練はお遊びじゃねぇ。本気で生き残れ!!」
私達の戦闘訓練の主任である『鬼教官』は教室全体を見回しながら訓練の詳細を説明し始めた。
「勝利条件、最後まで脱落せず生き残れ!今回使う訓練地はB4~B5区だ!武器、魔法の使用は自由、敵の詳細は不明。周囲と協力して情報を共有しつつ勝利を目指せ!」
隣に座っている友人が安堵して息を吐いた。
「B4と5なら森林があるところだね。私はやりやすそうでよかった。猫目石さんもどう?」
この友人は座学は得意だが実戦は運動神経が良くないため苦戦しやすいのだ。少しでもやり易い場所をと願っていたらしい。
私も友人も魔法タイプのため前衛タイプよりは良い動きが必要とされないのだが、敵によっては前衛を無視して突っ込んでくることもあるので気を抜けない。
ちなみに同じ魔法タイプでも戦闘スタイルは違うので私と友人は得意分野が異なる。
「うーん私はどこでも同じ感じかな~。でも森なら隠れやすそうだね」
他の生徒もそれぞれ協力できそうな人達で作戦を話し合っている。
しかしよく聞くとただの雑談も多く混じっており、皆楽観視しているようだ。
確かにこのクラスは能力が高い人が多く、自分の力に自信があるのだろう。
「お前らは初めての実戦訓練だ。ある程度手加減はしてやるが今回だけと思えよ!」
ざわ…ざわ…
「手加減なんて要らねーよ!強いモンスター連れてきやがれ!」
誰か知らない男子が叫んだ。
そうだそうだと教室のあちこちから声が上がる。
私達は『鬼教官』が「なめてんじゃねぇぞ!」と怒鳴るかと思ったので首をすくめて怒鳴り声を待つが、『鬼教官』はニヤリと笑うだけだった。
「説明を続けるぞ!……。……。」

訓練開始。
それぞれ適当な位置に就くべく区内を走る列車に乗り込む。
列車の中は武器を持った生徒でいっぱいで、こんな人数だと隠れる必要も、活躍する暇もなく訓練終了時間まで生き残れそうだと思った。
周りの生徒も「ただ生き残るだけなんてつまんないよねー」「らくしょーっしょ」「初めてだからってなめすぎじゃね?」「教官達に目に物見せてやろうぜ!」と、余裕がある。
列車が目的のポイントに到達し、ぞろぞろと生徒達が降りていく。
私達もその少し後ろを着いていくことにした。

そろそろ最前列が森の入り口に差し掛かったころ、急に行列が固まった。
私達からは前の方がどうなっているかわからないので念のためすぐ横のフェンスの裏に隠れる。
「とうとう始まったのかな?」
「ここまで来ないといいな…」
胸がドキドキする。ワクワクする。
戦いたい。闘いたい。
うずうずしながら『透視魔法』を使ってフェンスと草木の向こうを覗いてみる。
そこには…
『鬼教官』が立っていた。
ここで『鬼教官』についての説明を挟もう。
『鬼教官』は本物の戦争を経験し、多くの敵兵を打ち倒しなぎ倒し、一騎当千の活躍をして勲章を授与された最強の戦士だ。
生徒がいくら重なったところで到底勝てる相手ではない。
『透視魔法』を継続使用している目でそのまま行列全体を見回すと、誰もが絶望している。

私は息を飲み込んだ。

『鬼教官』がゆっくりと動き出した。

誰も威圧に気圧されて動けない。

そのまま『鬼教官』は値踏みするかのように行列の中を歩いていく。

そしてこちらに向かってきた。

一瞬私の脳裏に(こんなフェンスの裏に隠れて我が身の無事を祈るような臆病者はまず一番に教官に刈り取られてしまうかもしれない)とそのまま教官が肩に担いだ大剣を振り下ろしてくる様子を想像してしまい、恐ろしくて身震いする。
しかし教官は挑発するかのようにニヤリと笑った後、後ろを向いてそのまま元の位置に戻っていった。
隣で友人が脱力したように座り込む。

しかし私はそれを気に掛ける余裕がなかった。

「!猫目石さんどうしたの!?もしかして…でもやめたほうがいいよ…!」

後ろから友人の声が聞こえるが私の足は止まらなかった。

『鬼教官』が大剣で肩を叩きながら生徒たちを見回す。
「お前らは失格になりたいのか?」
ああ。このままだと容易く倒されて失格になってしまう。この手の武器を使って教官に抗わなければ。
生徒達はそう思いながらも誰一人動けない。
とてつもないプレッシャーに押さえつけられている。

私は『槍』を『生成』した。
光という材質でできた魔法槍。

それを構えて『鬼教官』へと狙いを定める。

神経を集中させて素早く……仕掛けた。

ガギィィィンと、金属がぶつかるかのような音が鳴る。
「ほう」
『鬼教官』は目を細めて不敵に笑った。
私の槍さばきは見ていられないようなド素人のものだった。
それはそうだ。私は遠距離の魔法タイプであってこんな近距離は専門外だ。
ならばなぜ、槍なんか持って突撃したのか。どう考えても無謀な戦いを挑んだのか。
それは私にもわからないのだが、とにかくこうしなければならないと思った。

私は必死に使い方がわからないながらも槍を繰り出し続けた。
「もっと!もっとだ!」と高笑いする鬼教官を腕が疲れ果てるまで突いた。
しかしそれは全く効いておらず、半ば諦めて腕を降ろした。

そんな私に鬼教官は反撃はせず、そのまま後ろの生徒達を蹴散らし始めた。
何人かの生徒はプレッシャーから解放され、武器を構えて全力で『鬼教官』に向かっていった。もしくはその隙に逃げていった。

私は最後に見た「次はもっと強くなっておけよ」という『鬼教官』の目をしっかりと脳に焼き付けながら森深くに入っていった。

………ろそろおこさな……。
!私は人に起こされるのは嫌なほうだ。
「おきてるよ……」
微かに出た声は努力空しく寝ている声だった。
がらっ

そうして猫目石のいつも通りの朝が始まった。
もちろん武器も魔法も槍もない。
今日も猫目石は現実に生きている。

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ななれん

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